はじめに
ごいたでは、手駒を出し切るために、 攻めを3回通すことが勝利に大きくつながります。 しかし、攻め駒をむやみに出せばよいわけではありません。
弱い駒で攻めると、相手に簡単に受けられてしまい、 そこから相手に強い駒で攻め返されることがあります。 そのため、攻めに使う駒には、 基本的に「相手が受けにくいこと」や 「受けられても次の攻めが残ること」が求められます。
攻めの強さは、主に次のような要素で決まります。
- 相手が受けにくい駒なのか
- 相手に王や玉を 使わせられるか
- 受けられたあとも次の攻めが残っているか
このページでは、ごいたにおける攻めの強さを、 代表的な攻めの型ごとに整理します。
攻めの強さを決める要素
攻めの強さを見るときに大切なのは、 その駒の「占有率」です。
占有率が高いということは、 自分や味方がその駒を多く持っているということです。 その分、相手側がその駒を持っている可能性は低くなり、 受けられにくい攻めになります。
たとえば、自分が馬を4枚すべて持っている場合、 馬の占有率は100%です。 この場合、相手側は馬を持っていないため、 馬で受けることはできません。 つまり、馬で攻めれば、 相手にとって非常に受けづらい攻めになります。
攻めの強さを見るときは、 次のようなポイントが重要です。
| 見るポイント | 内容 |
|---|---|
| 受けられにくいか | 相手がその駒を持っていない、 または受けづらい形か |
| 連続して攻められるか | 1回だけでなく、 2回目・3回目の攻めが残っているか |
| 王や玉を 使わせられるか | 相手の強い受け駒を使わせる圧力があるか |
攻めが強い手駒では、 こうした要素を複数満たしていることが多く、 その大きな理由の一つが占有率の高さです。
ただし、味方がどの駒を持っているかは 最初から分かるわけではありません。 そこで重要になるのが「かかりごたえ」です。
占有率を味方に伝える「かかりごたえ」
味方が攻めた駒と同じ駒を自分も持っている場合、 自分が攻められるタイミングで、 なるべく早く同じ駒を攻めに使うことを 「かかりごたえ」といいます。
たとえば、味方が金で攻めていて、 自分も金を持っているなら、 自分からも金を出します。 そうすることで、 「自分たちのペアは金を多く持っている」 と味方に伝えることができます。
反対に、自分から金が出てこなければ、 味方は残りの金を 敵方が持っていると考える可能性があります。
かかりごたえによって占有率の高さを味方に伝えれば、 その駒が相手に受けられにくいと判断しやすくなり、 続けて攻めるかどうかの判断にもつながります。
攻めの定石
ごいたの攻めには、代表的な型があります。 ここでは、攻めの強さを大まかに次のように整理します。 攻めの定石の強さは上から順番になっています。
| 攻めの型 | 攻めの強さの目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 王玉 | とても強い | 条件が整うと、そのまま上がりに近づく |
| 3香 | とても強い | 香は 王や玉で受けられない |
| 香以外の中駒3枚 | かなり強い | 同じ駒を連続して出す |
| 大駒2枚 | かなり強い | 相手に王や玉を 使わせやすい |
| 2香 | 状況次第 | 強いが、3香ほど確実ではない |
| 香以外の中駒2枚 | 状況次第 | 普通の攻めとして使いやすい |
| 3し | 弱いが戦略になる | し攻めを考える材料になる |
| 4し | 弱いが戦略になる | 味方の反応を見ながら進める |
とても強い攻め
王玉
王玉は、 条件が整えばそのまま勝ちに近づく強い攻めです。
手駒例としては、次のような形があります。
- し香馬金角飛玉王
- しし金金角飛玉王
- ししし香金飛玉王
王玉の強さは、王と玉を両方持っていることにあります。 多くの場合は、飛・角・金・銀・馬・香などで先に攻めて、 相手の受けを見ます。
その後、自分の番がもう一度回ってきたら、 2枚目の攻めで王、 3枚目の攻めで玉を出して上がる、 という流れを狙えます。
基本方針は、次のようになります。
- 強い攻め駒から出す
- 2つ目、3つ目の攻めに 王や玉を使う
- 王玉を上がりにつなげる
ただし、王玉は万能ではありません。 王や玉では、 香を受けることができません。 そのため、香攻めに対しては注意が必要です。
Turn Flow
王玉の流れの例
Aの手駒を「し香馬金角飛玉王」として、王玉の考え方を見ます。王玉で攻める流れに注目してください。
王玉の流れの例
3香
3香は、 ごいたの攻めの中でもかなり特殊で強い形です。
手駒例としては、次のような形があります。
- しし香香香馬銀金
- し香香香金角飛王
- ししし香香香馬銀
香は、 王や玉では受けられません。 そのため、相手が香を持っていなければ、 香を連続して出すことで上がれます。
3香の基本方針は、 香を連打することです。
- 1回目の攻め:香
- 2回目の攻め:香
- 3回目の攻め:香
ただし、3香は 最後の2枚をどう残すかが重要です。 相手に香があった場合、 3枚目の香に対して、 香で受けて、 しを出してくる可能性があります。 しを残すのか、 しを伏せるのかによって、 得点や勝ちやすさが変わります。
Turn Flow
3香の流れの例
Aの手駒を「しし香香香馬銀金」として、3香の考え方を見ます。
3香の流れの例
かなり強い攻め
香以外の中駒3枚
ここでいう中駒は、主に馬・銀・金です。
手駒例としては、次のような形があります。
- し香馬馬馬銀金角
- しし銀銀銀金飛王
- ししし金金金飛玉
香以外の中駒3枚は、 同じ駒を連続して出しやすいのが強みです。 たとえば金を3枚持っていれば、 金で攻め続けることで、 相手に金や 王・玉を 使わせることができます。
基本方針は、次のようになります。
- 3枚ある中駒を攻めの軸にする
- 受けられても、もう一度同じ駒で攻める
- 相手の受け駒や王を削る
また、味方が同じ駒で攻めていた場合は、 かかりごたえによって、 自分もその駒を持っていることを伝えることが大切です。
Turn Flow
3枚中駒(3金)の流れの例
Aの手駒を「し香銀金金金角王」として、3枚中駒(3金)の考え方を見ます。
3枚中駒(3金)の流れの例
大駒2枚
大駒は、角と飛です。
手駒例としては、次のような形があります。
- し香馬銀金角角飛
- しし香金銀角飛飛
- しし馬銀角角飛王
角や飛は枚数が少ないため、 同じ大駒を2枚持っている場合、 その駒を自分が持ち切っていることになります。 そのため、大駒で攻めると、 相手は王や玉で 受けるしかない場面が出てきます。
基本方針は、次のようになります。
- 大駒を出して 相手に王や玉を使わせる
- 大駒を連打するか、別の駒を挟むか判断する
Turn Flow
大駒2枚(2角)の流れの例
Aの手駒を「しし馬銀角角飛王」として、大駒2枚(2角)の考え方を見ます。
大駒2枚(2角)の流れの例
状況次第の攻め
2香
2香は強い形ですが、 3香ほど確実ではありません。
手駒例としては、次のような形があります。
- しし香香馬銀金角
- し香香金金角飛王
- ししし香香馬銀角
香を2回出せるのは大きいですが、 味方が香を1枚持っていることが非常に重要です。 もし味方に香がなければ、 敵方から逆に香を使われる可能性があります。 そのため、2香の手駒では、 香をどう使うかを考える必要があります。
- 香をすぐ出す
- 別の攻めから入る
香以外の中駒2枚
手駒例としては、次のような形があります。
- しし香馬馬銀金角
- し香馬銀銀金角飛
- しし馬銀金金飛王
香以外の中駒2枚は、 普通の攻めとしては十分に使えます。 ただし、3枚持ちほど連続性はありません。
基本方針は、次のようになります。
- 2枚ある駒を攻めにする
- 受けられたあとに次の攻めがあるかを見る
- 味方が同じ駒で攻めていたら、 かかりごたえを意識する
弱いが戦略になる攻め
3し
3しは、 普通に見ると弱い攻めです。
手駒例としては、次のような形があります。
- ししし香馬銀金角
- ししし馬銀金角飛
- ししし香金銀飛王
しは枚数が多いため、 相手に受けられやすい駒です。 ただし、自分と味方でしを多く持っている場合は、 し攻めが成立することがあります。
基本方針は、次のようになります。
- 自分にしが3枚以上ある
- 味方もしを多く持っていそう
- 普通に受けても強い返しがない
し攻めは、 自分だけで完結する攻めではありません。 味方がし攻めに 賛成してくれるかどうかが重要です。
4し
4しは、 普通の攻めとしてはさらに弱い形です。
手駒例としては、次のような形があります。
- しししし香馬金角
- しししし馬銀金飛
- しししし香銀角王
ただし、し攻めをするなら、 自分がしを多く持っていることは 大きな材料になります。
4しの基本方針は、 次のようになります。
- 普通の攻めでは勝ちにくい
- 味方の反応を見て、 し攻めを続けるか判断する
まとめ
ごいたにおける攻めの強さは、 単純な駒の点数では決まりません。
重要なのは、次の3つです。
- 連続して攻められるか
- 相手が受けづらい駒で攻められるか
- 上がりまで近い形になっているか
王玉、3香、 香以外の中駒3枚、大駒2枚は、 特に攻めが強い形です。 一方で、2香、香以外の中駒2枚、 3し、4しは、 状況判断が重要です。
また、味方が攻めた駒と同じ駒を持っている場合は、 かかりごたえによって、 自分たちのペアの占有率が高いことを 味方に伝えることも重要です。
まずは、自分の手駒を見たときに、 どの攻めの型に近いかを考えてみましょう。 そこから、相手が受けにくいか、 味方とつながるか、 最後に何で上がるかを考えると、 攻めの方針が立てやすくなります。
参考: 能登ごいた保存会|公式ルール
攻め方の評価は、執筆者1222の実戦経験をもとに整理しています。