受けの戦略とは
ごいたの守りは、単に相手の攻めを受けることだけではありません。 受けるか、受けないか、何を伏せるかによって、 自分や味方の上がりやすさが変わります。
初心者のうちは、受けられる駒があれば受けるだけでも十分です。 ただ、少し慣れてきたら、受けたあとに何で攻めるか、 味方に回したほうがよいか、相手の受け駒を減らせるかを考えると、 ごいたの戦略が一段深くなります。
基本
受けて強く攻める
手駒が強いときは、積極的に受けて、自分の攻めにつなげます。
連携
受けずに味方を見る
自分の手駒が弱いときは、パスして味方の反応を見ることがあります。
上級
相手の受けを減らす
あえて受けず、相手に受けさせて、相手の手駒を削る考え方です。
応用
後で攻めに使う
受けに使える駒をあえて残し、あとで攻め駒として使う判断です。
受けて強く攻める
相手の攻めを受けると、自分が次の攻め駒を出せます。 手駒が強いときは、積極的に受けて、積極的に攻めるのが基本です。
特に、受けたあとに同じ駒を続けて攻められる形や、 相手が受けにくい駒で攻められる形なら、受ける価値が高くなります。
例、し・香・馬・馬・馬・金・飛・王
Turn Flow
受けて強く攻める例
プレイヤーAは、し・香・馬・馬・馬・金・飛・王という手駒です。馬を3枚持っているため、受けたあとに馬で強く攻める方針を取りやすい手です。
受けずに味方の反応を見る
自分の手駒が弱く、受けたあとに良い攻めがない場合は、 あえて受けずにパスすることがあります。
自分がパスすると、味方がその駒を受けられるかどうかを見ることができます。 味方が受ければ、味方の手駒にはその駒があると分かります。 味方もパスした場合は、味方も持っていない、または受けたくない可能性があります。
例、自分が3しバラバラで手駒が弱く、味方の反応を見てみます。
Turn Flow
受けずに味方の反応を見る例
プレイヤーAは、しを3枚、他はバラバラの手駒で、やや弱い形です。最初の金を受けられますが、あえて受けずにパスし、味方Cの反応を見ます。
コラム:即受けか、それともパスか
「受けられる駒を、すぐに受けるべきか」、 それとも「いったんパスして、味方の反応を見るべきか」は、 ごいたの受け方で迷いやすい判断です。
そろうごいたのAIをシミュレーション用に調整し、手駒ランクごとに、 即受けした場合とパスした場合の勝率を比較しました。 ここでのランクは、ゲーム開始時の手駒の強さをもとにした目安です。
| 手駒ランク | 即受け 件数 | 即受け勝率 | パス 件数 | パス勝率 | パス-即受け |
|---|---|---|---|---|---|
| A | 65 | 86.15% | 26 | 69.23% | -16.92pt |
| B | 131 | 73.28% | 50 | 58.00% | -15.28pt |
| C | 235 | 51.49% | 134 | 49.25% | -2.24pt |
| D | 246 | 47.56% | 144 | 37.50% | -10.06pt |
| E | 170 | 33.53% | 112 | 32.14% | -1.39pt |
| F | 148 | 36.49% | 101 | 28.71% | -7.77pt |
A・Bランクのように手駒が強い場合は、即受けの勝率が高く出ています。 強い手駒は、受けたあとに強く攻められるからです。
C・Eランクでは、即受けとパスの差が小さくなっています。
D・Fランクでは、即受けのほうがパスより高く出ています。これはどういうことなのか、気になったので、分析しました。その結果、親の香を即受けするか、パスするかが大きな要因である可能性が高いことが分かりました。Dランクが香即受けの勝率は35%、香パスの勝率は17%でした。Dランクが親の香即受けの勝率は25%、香パスの勝率は22%でした。
さて、私は表の全体を見て、即受けの方が勝率が高いことに、違和感がありました。例えば、「即受けのし攻め」はどうなのか、です。なので、これを調べました。
し攻めをする場合の比較
「駒を受けたあとにし攻めをする」、または「1回パスしたあとにし攻めをする」場合だけを取り出して比較します。ランクC~Fが調査対象です。
| ランク | 即受けし攻め | 1回パス後し攻め |
|---|---|---|
| C | 50.00% / 14件 | 55.00% / 20件 |
| D | 40.00% / 25件 | 33.33% / 27件 |
| E | 25.93% / 27件 | 48.15% / 27件 |
| F | 33.33% / 42件 | 25.71% / 35件 |
D・Fランクでは、即受けしてし攻めをしたほうが高く出ています。
一方で、CランクとEランクでは、1回パス後し攻めのほうが高く出ています。 特にEランクでは差が大きく、即受けよりも1回パス後の方が勝率が22%も高くなります。
この表から言えることは「Eランクは1回パス後のし攻めはかなり良い」です。
さて、今回の調査全体からは、全体的に即受けしたほうが、パスするよりも勝率が高いという結果が示されました。そして、し攻めをする場合は、Eランクの手駒の場合、1回パスしたほうが良いという結果でした。
え?なになに?「じゃあ香即受けのし攻めはどうなの?」うーん、それはまた今度にしましょう!(疲れた)
*これは、完璧な実証ではありません。データを分析した結果を示しているだけであり、1局1局どのような流れだったかを綿密には調べていません。今回の結果は、そうするべきだと断言するものではなく、あくまで、一つの示唆であることに注意してください。
受けずに相手の受けを減らす
上級者向けの考え方として、受けられる駒をあえて受けずに、 相手の受けを減らす判断があります。
自分が受けないことで、相手の駒を伏せさせたり、味方の反応を見る狙いです。 これは状況判断が難しいため、初心者はこれを狙う必要はありません。 まずは「受けられるから必ず受けるわけではない」と覚えるだけでも十分です。
例、し・し・し・し・香・銀・金・飛
Turn Flow
受けずに相手の受けを減らす例
プレイヤーAは銀を持っているため、最初の銀を受けることもできます。しかし、あえて受けずにパスすることで、相手Dにもう一枚を駒を伏せさせ、相手の駒を減らしていきます。
受けずに後で攻めに使う
相手から大駒が出てきて、それを自分が持っていた場合でも、 自分の手駒次第では、すぐに受けない判断があります。
その大駒を受けに使わず、後で攻めに使うことで、強力な攻め駒に転じます。
例、し・し・香・馬・銀・角・飛・王
Turn Flow
大駒を受けずに、逆に攻めで使う例
プレイヤーDは、し・し・香・馬・銀・角・飛・王という手駒です。Cの角の攻めをパスして、逆に角を攻めに使います。
受けるタイミング
受けるかどうかは、相手の何回目の攻めかによっても変わります。 相手の一つ目の攻め、二つ目の攻め、三つ目の攻めでは、 危険度が大きく違います。
相手の一つ目の攻め
まだ余裕があります。 受けて強く攻める、受けずに味方を見る、後で攻めに使うなど、 いくつかの選択肢を考えられます。
この段階では、基本的に王玉は使わないほうがよいです。 王玉は終盤の受けに残しておくほうが、安全な場面が多くなります。
相手の二つ目の攻め
ここでパスすると、1巡して相手がリーチする可能性があります。 そのため、一つ目の攻めよりも慎重に考える必要があります。
基本的には、同じ駒で受けるか、必要なら王玉で受けて、 自分の攻め駒を出すことを考えます。
相手の三つ目の攻め
相手の三つ目の攻めは、かなり危険です。 例外を除いて、基本的には必ず受ける場面だと考えます。
受けずに通してしまうと、そのまま相手に上がられる可能性が高くなります。 同じ駒で受けられるなら受け、必要なら王玉を使うことも考えます。
三つ目の攻めを受けない例外
- 王玉で受けても、残りが「し」しかなく、攻め返しがほとんどない場合
- 自分があえてパスすることで、相手チームに味方がその駒を持っていると誤認させる場合
二つ目は、上級者向けです。自分があえてパスすることで、相手チームに「味方がその駒を持っているかもしれない」と思わせ、攻め駒を別の駒に変えさせる狙いがあります。ただし、失敗するとそのまま上がられる危険もあります。
初心者が最初に覚えること
初心者のうちは、細かい読み合いをすべて考える必要はありません。 まずは次の3つを意識すると、受けの判断がしやすくなります。
- 手駒が強いときは、受けて強く攻める
- 手駒が弱いときは、受けずに味方の反応を見ることもある
最初は「受けられるなら受ける」でもかまいません。 ただし、慣れてきたら「受けたあとに何ができるか」を見るようにすると、 ごいたの受け方が分かりやすくなります。
ごいたAIで練習する
受けの判断は、実際に何度も打つことで身につきます。 特に、受けるかパスするかは、場に出た駒や味方の反応を見ながら少しずつ覚えていくものです。
1人で練習したい場合は、ごいたAI「そろうごいた(β)」を使うと、 受け、攻め、パスの流れを確認しながら練習できます。
まとめ
ごいたの受け方では、受けることだけでなく、受けないことも大切な判断になります。 手駒が強ければ受けて攻める、自分が弱ければ味方の反応を見る、状況によって選択肢は変わります。
また、相手の一つ目の攻めなのか、二つ目の攻めなのか、 三つ目の攻めなのかによって、受けるべき強さも変わります。 まずは、受けたあとに何ができるかを考えるところから始めましょう。

