はじめに
ごいたでは、「攻められるか」「受けられるか」が重要です。 どれだけ点数の高い駒を持っていても、攻める形がなければ主導権を取りにくくなります。
逆に、受けられる駒が多くても、受けたあとに弱い駒しか出せなければ、 状況はあまり良くなりません。 ごいたの手駒は、単に強そうな駒があるかどうかではなく、手駒全体の形で考える必要があります。
この記事では、手駒の強さをどう考えるかを整理します。
このページで紹介する手駒評価、ランク化、算出方法は、公式ルールや一般的に定められた評価法ではありません。 筆者がごいたの戦略を整理するために、攻めの形と受けの広さをもとに独自に言語化した評価方法です。
また、このページの手駒評価では、5し以上の手駒は含めません。 5し以上は通常の手駒評価とは別に扱う特殊な形として考えます。
手駒の強さを決める2つの軸
手駒の強さは、大きく分けて2つあります。 1つ目は攻めの強さ、2つ目は受けの強さです。
強い手駒とは、攻めと受けの両方に意味がある手駒です。 受けたあとに攻め返せる形や、攻めたあとに上がりまで見える形がある手駒は、 実戦でも使いやすくなります。
攻め
攻めの強さ
自分からどれだけ強く攻められるか、相手に受けを強制できるか、 最後まで攻め切れるかを見る考え方です。
受け
受けの強さ
相手の攻めに対してどれだけ対応できるか、 受けたあとに攻め返せるかを見る考え方です。
攻めの強さとは
攻めの強さとは、自分から相手に受けを迫れるかどうかです。 相手が受けにくい駒で攻められる手駒は、主導権を取りやすくなります。
攻めの強さには、いくつかの代表的な形があります。
攻めが強い代表的な形
- 3香
- 香以外の中駒3枚
- 角・飛などの大駒2枚
3香
3香は、とても特殊で強い攻めです。 香は王玉で受けられないため、相手にとって対応しにくい駒になります。 そのため、香を複数持っている形は、攻めとして大きな意味を持ちます。
香以外の中駒3枚
金・銀・馬のような中駒を3枚持っている形も、連続して攻めやすい形です。 自分が多く持っている駒は、他の人が持っている枚数が少なくなるため、 相手が受けにくくなります。
大駒2枚
角・飛のような大駒を2枚持っている形も、強い攻めにつながることがあります。 大駒は相手に王や玉を使わせる圧力があります。
受けの強さとは
受けの強さは、受けられる駒の種類が多いほど高くなります。 ただし、同じ駒を何枚も持っている場合、受けられる駒として期待できません。
たとえば、銀を3枚持っていたら、他のプレイヤーから、銀が攻めで出てくることはほぼありません。他に出すものが無くて、銀を出してしまったぐらいです。 そのため、受けの強さを見るときは、単純な駒の枚数ではなく、 「何種類の攻めに対応できるか」を考えます。
受けの強さを見るポイント
- 受けられる駒の種類が多いか
- 受けたあとに攻め返せるか
- 王や玉をどのタイミングで使えるか
- しや香にどう対応するか
また、「し」は特殊です。 しは多くの場合、攻めとしては弱いですが、し攻めという専用の戦略があります。 しを多く持っている手駒は、単純に弱いと決めつけず、別の方針を考えることがあります。
王や玉も特殊です。 多くの駒を受けられますが、香としは受けられません。 そのため、王や玉を持っていても、特に香攻めに対しては注意が必要です。
手駒評価の算出方法
ここでは、5し以上を除いた手駒を対象に、手駒の強さを数値化する方法を紹介します。 この評価方法は、公式に定められたものではなく、筆者がごいたの手駒を比較しやすくするために独自に整理したものです。
攻めの形による評価と、受けの広さによる評価を足し合わせて、 手駒の強さを見ます。
手駒評価の基本式
type_total(全体の点数) = attack_type_value(攻めの点数) + receive_type_value(受けの点数)
attack_type_value は、攻めの形から決める値です。
receive_type_value は、受けの広さから決める値です。
この2つを足した type_total をもとに、A/B/C/D のランクを決めます。
ただし、SランクとFランクは、単純な点数では決めません。 Sは勝ち筋がかなり明確な特殊な手駒、Fはほぼ選択肢がない特殊な手駒として、別に判断します。
攻めタイプの評価
攻めタイプでは、手駒の中にどのような攻めの形があるかを見ます。 複数の条件に当てはまる場合は、表の上から優先して1つだけ選びます。
| 攻めタイプ | 条件 | value |
|---|---|---|
| 3香 | 香が3枚以上 | 5 |
| 香以外の中駒3枚 | 金・銀・馬のどれかが3枚以上 | 4 |
| 大駒2枚 | 飛または角が2枚 | 4 |
| 2香 | 香が2枚 | 3 |
| 香以外の中駒2枚 | 金・銀・馬のどれかが2枚以上 | 2 |
| 3し | しが3枚 | 1 |
| 4し | しが4枚以上 | 0 |
| その他 | 上記以外 | 1 |
攻めタイプは、複数当てはまる場合でも1つだけ選びます。 たとえば、香を3枚持っていて、金も2枚持っている場合は、 上にある「3香」を優先します。
受けタイプの評価
受けタイプでは、単純な駒の種類数ではなく、
effective_receive_type を使います。
これは、王や玉を除いた受けの広さを、実戦に近い形で見るための数え方です。
effective_receive_type の数え方
- しがあれば +1
- 香・馬・銀・金・角・飛は、「1枚だけ持っているもの」だけ +1
- 玉があれば +2、王があれば +2、
receive_type_valueに加点する
ここでは、同じ駒を複数持っている場合は、受けの広さとしては高く見ません。 たとえば金を3枚持っている手駒は、金攻めとしては強くなりますが、 受けの種類が広い手駒とは考えません。
| effective_receive_type | base_receive_value |
|---|---|
| 0〜2 | 0 |
| 3 | 1 |
| 4 | 2 |
| 5 | 3 |
| 6 | 4 |
| 7 | 5 |
受けタイプの計算式
receive_type_value = base_receive_value + 玉2点 + 王2点
ランク化の方法
通常は、type_total を使って絶対ランクを決めます。
ここでいう絶対ランクとは、自分の手駒だけを見た評価です。
| type_total | ランク |
|---|---|
| 8以上 | A |
| 7 | B |
| 5〜6 | C |
| 4以下 | D |
SランクとFランクは、type_total とは別に判断します。
Sは勝ち筋がかなり明確な手駒、Fはほぼやることが決まっている手駒として扱います。
計算例:し香馬金角飛玉王
この手駒には、3香や中駒3枚のような攻めの形はありません。
そのため、攻めタイプは「その他」となり、
attack_type_value = 1 です。
受けについては、まず王と玉を除いて考えます。
しで +1、香・馬・金・角・飛はそれぞれ1枚だけなので +5 です。
そのため、effective_receive_type = 6 となります。
effective_receive_type = 6 のとき、
base_receive_value = 4 です。
さらに、玉で +2、王で +2 を
receive_type_value に加えます。
したがって、
receive_type_value = 4 + 2 + 2 = 8 となります。
攻めタイプの値と合わせると、
type_total = 1 + 8 = 9 です。
通常ランクでは、type_total が8以上なのでAランクになります。
さらに王と玉を両方持っているため、実戦では王玉として特別に強く評価することがあります。
ランク分布
全4745種類の手駒を評価すると、ランク分布は次のようになります。 最も多いのはCランクで、全体の約4割を占めます。
| ランク | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| S | 409 | 8.62% |
| A | 488 | 10.28% |
| B | 792 | 16.69% |
| C | 2077 | 43.77% |
| D | 969 | 20.42% |
| F | 10 | 0.21% |
CランクとDランクを合わせると、全体の6割以上になります。 そのため、ごいたでは「明らかに強い手駒」ばかりが来るわけではありません。 普通より弱めの手駒をどう扱うか、受けるか受けないか、味方の反応を見るかが重要になります。
一方で、SランクやAランクのような強い手駒も一定数あります。 こうした手駒では、攻めの形を見つけて、積極的に主導権を取りにいき、高い点数で上がることを狙います。
ランクごとの特徴
手駒ランクは、手駒の方針を考えるための目安です。 ここでは、それぞれのランクの大まかな特徴と、代表的な手駒例を整理します。
Sランク
勝ち筋がかなり明確な手駒です。
type_total の点数だけではなく、特殊な勝ち筋がある場合に判断します。
やることがかなり決まっているため、迷う場面はほぼありません。
代表例
- し香香香角角玉王
- しし香香香香馬玉
- しししし飛飛玉王
Aランク
攻めも受けも強い手駒です。
基本的には積極的に受けて、強い駒を出していく方針になります。
目安は type_total が8以上です。
代表例
- 香香香銀金角飛王
- し香馬銀角角飛玉
- しし馬金金金玉王
Bランク
普通より強い手駒です。
基本的には受けて、強い駒を出しますが、相手の攻めや味方の反応によっては、受けずにパスする判断も必要になります。
目安は type_total が7です。
代表例
- し香馬馬銀角飛王
- ししし香馬角角玉
- し香香馬銀金角飛
Cランク
普通~弱めの手駒です。
相手の手駒、味方の手駒、場に出た駒をよく見て進める必要があります。
目安は type_total が5〜6です。
代表例
- しし香馬銀金角飛
- ししし香香香馬角
- ししし香馬銀金王
Dランク
かなり弱い手駒です。
普通に進めると苦しいため、し攻めなどの特殊な戦略を考えることがあります。
目安は type_total が4以下です。
代表例
- しししし馬馬馬飛
- しししし香馬金角
- しし馬馬銀銀飛飛
Fランク
ほぼやることが決まっている手駒です。
選択肢が少なく、強い展開を作るのは難しくなります。
type_total の点数だけではなく、特殊な弱い形として判断します。
代表例
- しししし金金金金
- 馬馬馬馬銀銀銀銀
- しししし香香香香
初心者はまず何を見ればよいか
初心者は、最初から細かく数値計算する必要はありません。 まずは、次の3つを見るだけで十分です。
初心者が最初に見ること
- 攻めに使える形があるか
- 受けられる駒の種類が多いか
この2つを見るだけでも、手駒の強さをかなり判断しやすくなります。 慣れてきたら、攻めタイプや受けタイプを使って、手駒をより細かく評価してみましょう。
ごいたAIで練習する
手駒の強さを見られるようになるには、実際に何度も打ってみるのが一番です。 ただ、最初は4人集めるのが難しいこともあります。
ごいたAI「そろうごいた(β)」では、 不足人数をAIが補う形で、1人からでもごいたを練習できます。 手駒を見て、攻めが強いか、受けが強いかを考える練習に使えます。
まとめ
ごいたの手駒の強さは、単に高い駒を持っているかどうかでは決まりません。 大切なのは、攻めの強さと受けの強さです。
このページでは、攻めの形を attack_type_value、
受けの広さを receive_type_value として評価し、
その合計である type_total を使って手駒をランク化する方法を紹介しました。
ランク分布を見ると、最も多いのはCランクです。 Cランクの手駒は、明確な勝ち筋が見えにくく、どう戦うべきか分かりづらいことが多いです。 だからこそ、受けるか、パスするか、味方の反応を見るかを考えることが重要になります。
手駒評価は、強い手駒を見分けるためだけでなく、 判断に迷いやすい手駒をどう扱うかを考えるための目安になります。 まずは、自分の手駒を見て、攻めに使える形があるか、受けられる種類が多いか、 受けたあとに攻め返せるかを確認してみましょう。
